会社を作るのは、思っていたより簡単でした。
freeeの会社設立を使えば、画面の指示どおりに進めるだけで書類が出来上がります。
ただ、簡単なのは「入力する」ところだけでした。
そこに何を入れるかを決めるところで、僕は何度も手が止まりました。
今回は、実際に詰まった4か所を書いてみます。
先に結論だけ言うと、そのまま画面の流れに乗って進んでいたら、印鑑だけで1万円ほど多く払っていました。
設立フローは親切です。親切だからこそ、疑わずに進んでしまいます。
1. 事業目的で20分止まった
freeeには、事業目的のテンプレートが用意されています。
ただ、僕がやろうとしていた内容に、ぴったり合うものがありませんでした。
なので、自由入力に切り替えたんですが、ここでやらかしました。
書きたいことが6つあったので、1つの入力欄に、6項目まとめて打ち込んだんです。
そのまま進んでいたら、定款の事業目的が「長い文章が1個だけ」という状態になるところでした。
本来はこうなります。
- ○○に関する事業
- ○○に関する事業
- ○○に関する事業
番号が振られた箇条書きです。定款に載る、会社の看板みたいなものですね。
1項目ずつ登録し直して事なきを得ましたが、ここで20分使いました。
入力欄が1つでも、目的は1つずつ登録する。
2. 決算月を、2回直すことになった
これは調べれば出てくる話なので、短めに。
決算月は、設立日から自動では決まりません。自分で選ぶ項目です。
僕は設立月の1つ前の月にすることにしました。1期目を長く取れると考えたからです。
ただ、1つだけ実際にやって分かったことがあります。
当時は8月設立の予定だったので、決算月を7月にしました。
そのあと事情があって設立を7月に前倒ししたのですが、そうすると決算月も6月に直さないといけません。
設立日のことで頭がいっぱいになっていると、ここは見落とします。
結局、決算月は2回直しました。
※事業年度の決め方は会社ごとに違います。決める前に公式の情報でご確認ください。
3. 自宅では登記できなかった
本店の住所を入れる場面で、初めて気づいたことがあります。
いま住んでいる賃貸では、法人登記ができませんでした。
大家さんに確認したところ、法人登記は認めていないとのことでした。
契約書に書かれていなくても、確認するとNGということはあるようです。
そこで、東京にある実家を本店にすることにしました。
ただ、実家なら無条件でOKというわけでもありません。分譲マンションなので、僕が確認したのは次の2つです。
- マンションの管理規約で、法人登記や事務所利用が禁止されていないか
- 所有者である親の同意が取れるか
どちらも問題なかったので、そのまま進めました。
ちなみに、この「本店をどこにするか」は、あとでもう一度僕の前に立ちはだかります。
法人口座を作ろうとしたとき、本店の所在地がその支店の対象エリア外だという理由で、地元の信用金庫では申し込みが進みませんでした。
そのあたりは、こちらに書いています。
▶ 法人口座が2行で審査落ち。売上ゼロの新設法人が、4行目で開設できるまで
4. 印鑑は、freeeで買わなかった
設立の流れの中で、法人の印鑑を買う案内が出てきます。
そのまま買えば楽です。書類の作成と同じ画面の中にあるので、必要な手続きの一部のような顔をしています。
でも、値段を見て手が止まりました。
黒水牛のセットで、22,700円。
高いのか安いのか分からなかったので、いったん画面を閉じて、ネットのはんこ屋さんを見に行きました。
同じ黒水牛で、本数も同じセットが9,980円。ケースを足して、合計12,280円でした。
差額は10,420円です。
ここは外で買いました。
ただ、念のため書いておくと、まったく同じ商品かどうかまでは確認していません。比べたのは素材と本数だけです。彫り方や仕上げ、保証の内容までは見比べていないので、そこも含めて選びたい方は確認してください。
あとから思ったのは、これは印鑑だけの話ではないということです。
設立フローは親切です。次にやることが順番に出てきて、そのまま押していけば会社ができます。だから、途中に出てくる「買う」も、手続きの一部みたいに見えてしまう。
でも実際には、外で買っても何の問題もないものが混ざっています。
一度だけ画面を閉じて、値段を調べる。それだけで1万円でした。
注文するときに注意したのは2つです。
- 合同会社なので、代表者印は「代表社員之印」(株式会社の「代表取締役之印」ではない)
- 会社名のふりがなを間違えないこと
地味ですが、彫り直しはききません。
おまけ:定款の住所が、印鑑証明と1文字違っていた
最後にもう一つ。
定款に入れた僕の住所の表記が、印鑑証明書の表記と微妙に違っていました。
番地と部屋番号のつなぎ方が、印鑑証明書では記号で区切られていたのに、僕が入力したほうは空白になっていたんです。
人間が見れば同じ住所ですが、登記の書類は、そういうところを揃える必要があります。
気づいたのが提出前だったので、修正して出力し直すだけで済みました。
住所は「覚えている書き方」ではなく、印鑑証明書を見ながら書き写す。これに尽きます。
まとめ
freeeの会社設立でつまずいたのは、この4か所でした。
止まった4か所
- 印鑑:一度画面を閉じて外を見る。同じ素材・同じ本数のセットが10,420円安かった。合同会社は「代表社員之印」
- 事業目的:入力欄が1つでも、1項目ずつ登録する
- 本店:賃貸は登記できないことがある。分譲でも管理規約と所有者の同意を確認
- 決算月:自動では決まらない。設立日を動かしたら、決算月も直す
どれも、システムの操作でつまずいたわけではありません。
決めなければいけないことを、決めないまま画面を開いていたのが原因です。
ただ、あとから思うと、順番どおりに全部決めてから始めるのは、たぶん無理でした。
僕が会社を作ったのは、もともと翌年にやるつもりだった予定を、1年前倒しにしたからです。
国民健康保険が思ったより高くて、しかも翌年はもっと上がるのが分かっていました。開業のときの費用を全部その年の経費に充てた結果の金額だったので、翌年は同じ手が使えないからです。
それで、急に動くことになりました。
社会保険に切り替えたときに、僕の場合はどれくらい変わるのか。自分で試算したところ、年間で40万円台の差という結果になりました。会社を維持するのにかかる費用を引いた後の数字です。
ただ、これは僕の条件での試算です。所得も家族構成も住んでいる自治体も違えば、金額はまったく変わります。人によっては法人化しないほうがいい場合もあります。参考程度に読んでください。
その差額のために、この4か所で止まった。
走りながら決めていたので、止まるのは当たり前だったんですよね。
なので「準備してから始めましょう」とは言いません。
止まる場所が先に分かっていれば、止まる時間が短くなる——この記事はそのつもりで書きました。
検討から設立、そのあとの手続きまでの流れは、マイクロ法人設立の全記録にまとめています。これから設立を考えている方は、そちらから順に読んでもらえたらと思います。
