会社の登記が完了して、書類もそろって、あとは動かすだけ。
そう思っていた時期に、ふと引っかかったことがありました。
そういえば僕、まだ一度も法人の実印を押していないな。
わざわざ選んで買った印鑑が、届いてから一度も使われていない。
使う場面がないならそれでいいはずなのに、なぜか気持ち悪かったんですね。
調べてみたら、その実印は、法務局に登録されていませんでした。
任意の扱いだったので、飛ばしていた
会社設立をオンラインで進めていくと、途中で印鑑届書という書類が出てきます。
法人の実印を「この会社の実印はこれです」と法務局に登録するための書類です。
ただ、僕が使ったサービスでは、ここが任意のアップロード扱いになっていました。必須ではない、という顔で出てくるんです。
手続きを手伝ってくれた担当の方にも聞きました。
返ってきたのは、銀行の窓口に行かないのであれば、今の時点では必要ない、という説明でした。
なので、飛ばしました。
登記そのものは、それで問題なく完了しています。会社はできました。
でも、会社ができたことと、法人実印が登録されていることは、別の話だったんです。
法務局に電話しました
気になったので、本店を管轄する法務局の出張所に電話しました。
結果は、印鑑届は出ていない。だから法人実印は未登録。
正直に言うと、その時点ではそれで何がどう困るのか、よく分かっていませんでした。
目の前で何かが止まったわけではありません。困っている実感もない。
ただ、登録されていないという事実だけが残ったという状態です。
調べて分かったのは、未登録だと法人の印鑑証明書が取れないということでした。
印鑑証明書は、契約や手続きで求められることがあります。
必要になるのは、必要になったときです。そのとき「実は登録していませんでした」では、そこで止まる。
つまり、困っていないうちは一生気づかない種類の抜けだったわけです。
郵送で出したのは4点
気づいたあとの処理は、そこまで大変ではありませんでした。まとめて郵送しています。
- 印鑑(改印)届書(法務局のサイトにある様式を印刷して手書き)
- 個人の印鑑証明書の原本
- 印鑑カード交付申請書(印鑑証明書を取るためのカード)
- 返信用封筒(自分宛・切手を貼る)
印鑑証明書の期限については、法務局のサイトにこう書かれています。
市区町村長が作成した3か月以内の印鑑証明書等の書類を添付する必要があります
法務局「商業・法人登記の申請書様式」(2026年9月14日確認)
印鑑カードは、あとで印鑑証明書を取るときに要ります。どうせ必要になるので、同時に申請しました。
書き方でつまずいた2か所
様式を見ながら書いていて、手が止まったのはここでした。
迷った2か所
- 押す印鑑が2種類あった。大きい枠には登録したい法人の実印、届出人の欄には自分の個人の実印。法人の印鑑を登録する書類なのに、本人確認として個人の印鑑も要る
- 資格の欄に「代表社員」の選択肢がなかった。印字された選択肢を使わず、空欄のカッコに手書きした(合同会社なので)
このあたりは、様式と記載例を見ながら進めました。
それでも不安だったので、投函前に管轄の出張所に電話して確認しています。
電話1本で済むので、迷うくらいなら聞いたほうが早いです。
※様式や必要書類は変わることがあります。実際に出すときは、法務局の公式サイトと管轄の法務局でご確認ください。
聞き方の問題だったと思っています
この件で残ったのは、書類の書き方ではありませんでした。
「今は不要」という説明は、間違っていなかったということです。
銀行の窓口に行かないなら、その時点では確かに要りません。説明として正しい。
僕が知りたかったのは、その先でした。
じゃあ、いつ要るのか。
そこを、僕は聞いていませんでした。
手続きを人に聞くとき、返ってくるのは「今どうするか」の答えです。
「あとで何が起きるか」まで知りたいなら、そう聞かないと出てきません。
そして、それに気づくきっかけは、たぶん書類の中にはありません。
僕の場合は「一度も実印を押していないな」という、それだけでした。
設立を考え始めたところからの流れは、マイクロ法人設立の全記録にまとめています。
